奈良白鳳時代に中国よりもたらされた脱活乾漆造技法は、銅像や木彫像に比べて、写実的な様式にふさわしい技法として積極的に学ばられ、奈良時代の仏像や高僧の像に乾漆のものがたくさん有ります。
乾漆は麻布を貼り重ねて器胎を作り、漆で仕上げたもので、現在の強化プラッスチックが、合成樹脂とグラスファイバーを重ね貼りしているのと同じです。
しかし、紫外線い弱いプラスチックと違って、乾漆は1300年以上の耐久性を証明しています。
私の乾漆花器や灯りはこの技術を応用したものです。
横浜市龍華寺(りゅうげじ )の脱活乾漆造菩薩坐像へ
(だつかつかんしつぞうぼさつざぞう)
岐阜市美江寺(みえじ)乾漆十一面観世音菩薩へ
(かんしつじゅういちめんかんぜおんぼさつ )
奈良市唐招提寺(とうしょうだいじ)の乾漆鑑真和上(がんじんわじょう) 坐像へ
奈良県北葛 城郡当麻町當麻寺(たいまでら)の乾漆四天王立像へ
麻布で作りますので、デザインの自由度は高いです。
私は、「他の素材ではなく、なぜ乾漆で作ったのか」の疑問に応えられるように心がけてデザインをしています。